30 SECOND SUMMARY
絵でつかむ、3つの結論。
ここだけ
配信の報酬は給与とは扱いが違う。一般には「業務に係る雑所得」になる
ラインと比べるのは売上じゃなく「所得」=報酬から必要経費を引いた残り
20万円は所得税の基準。住民税の申告は別で、20万円以下でも必要になることがある
📒 この記事でわかること
まず、配信の報酬は「給与」じゃない
配信の報酬は、雇用契約の給与とは税金の扱いが違うことがあるの。副業として継続的に得る報酬は一般に「業務に係る雑所得」、活動規模などによっては事業所得になる場合もあるよ。
契約書や支払明細で、自分の報酬の扱いを確認してね。
① 申告を考えるラインはここ(所得税の話)
給与がなく配信の所得だけの人の目安
合計所得金額132万円以下の場合の額
給与・退職所得以外の所得の合計がこれを超えたら原則、所得税の確定申告
金額には対象年と条件がつきます。上の95万円は令和7年分・令和8年分の基礎控除額(合計所得金額132万円以下の場合)で、令和6年分以前は48万円でした。改正で変わるので、申告する年の基礎控除を毎年確認してください。
20万円は「何もしなくていい」ラインではありません
20万円の基準にはいくつも前提と例外があります。
- 給与が2か所以上ある人は基準そのものが違います。年末調整されなかった給与の収入金額と、給与・退職所得以外の所得との合計が20万円を超えるかで判定します(国税庁 No.1900)。
- 給与収入が2,000万円を超える人は、他の所得の額にかかわらず確定申告が必要です。
- 医療費控除・住宅ローン控除・寄附金控除などで確定申告をする場合は、20万円以下の所得も含めて申告します。20万円以下だから書かなくてよい、にはなりません。
- 源泉徴収されている報酬がある人は、申告すると納めすぎた税が戻ることがあります。「不要」と「しなくて損がない」は別です。
- そして住民税の申告は、この20万円とは関係なく必要になることがあります(③へ)。
判断に迷ったら、所得税は税務署、住民税はお住まいの市区町村の住民税担当課に、実際の金額を伝えて確認してください。
② 「所得」=売上そのものじゃない
ここ、いちばん誤解が多いところ。ラインと比べるのは売上じゃなくて「所得」だよ。
何を経費として記録するか迷ったら、ライバーの経費ガイドで費目別の考え方を確認してね。根拠となる国税庁の必要経費の説明もあわせて確認できます。
③ 所得税と住民税は、別の手続き
所得税の確定申告と、住民税(市民税・県民税)の申告は別の手続きです。
🟢 所得税の確定申告をした
- その内容が市区町村へ回る
- 住民税の申告は原則不要
🔴 所得税の確定申告をしなかった
- 配信の所得が20万円以下でも
- 住民税の申告が必要になることがある
住民税には、所得税の「20万円以下なら申告不要」にあたる扱いがありません。たとえば横浜市は、住民税は所得の多少にかかわらず給与所得と合算して税額を計算するため、確定申告をしなかった副収入は住民税の申告が必要だと説明しています(横浜市の説明・確認日2026-09-07)。
④ 「事務所がやってくれる」とは限らない
事務所所属でも、申告が必要かを確認する責任は原則としてあなた本人にあるの。
🟢 事務所に確認すること
- 源泉徴収の有無
- 年間の支払額
- 支払調書の発行有無
🔴 自分で判断しないこと
- 「申告不要」と自己判断で決めつける
- 迷ったまま放置する
- → 迷ったら税務署か税理士へ相談
「扶養」は2種類ある
① 税法上の扶養(扶養控除・配偶者控除など)
- 影響するのは、あなたを扶養している家族の所得税・住民税
- 扶養親族になれるのは、その年の12月31日時点で合計所得金額が一定額以下などの要件を満たす場合(令和7年12月1日施行の改正後は合計所得金額58万円以下)
- 16歳以上が控除対象。控除額は区分により38万円・63万円など
- 出典:国税庁 No.1180 扶養控除(確認日2026-09-07)
② 社会保険の被扶養者(家族の健康保険)
- 影響するのは、あなた自身の健康保険・年金
- 認定の基準は税法上の扶養とは別で、加入している健康保険組合・協会けんぽ・共済組合などが定めています
- 収入の数え方(経費の扱い、見込み年収の考え方)も税とは異なることがあります
- 確認先は家族の勤務先か、その健康保険の窓口
配信の収入が増えると、①だけ外れる・②だけ外れる・両方外れる、のどれも起こり得ます。片方の基準だけを見て「まだ大丈夫」と判断しないでください。稼げるようになってから慌てるより、始める前に、税は税務署・市区町村へ、社会保険は家族の健康保険の窓口へ、それぞれ確認しておくのが確実です。
よくある質問
ライバーの収入はいくらから確定申告が必要?
所得税の話です。給与がなく配信の所得だけの人は、2026年分(令和8年分)の基礎控除95万円(合計所得金額132万円以下の場合)がひとつの目安です。年末調整済みの給与を1か所から受ける人は、給与・退職所得以外の所得が20万円を超えたら原則申告になります。給与が2か所以上ある人、給与収入が2,000万円を超える人は基準が違います。金額は改正で変わるため、申告する年の国税庁の説明を確認してください。
所得が20万円以下なら、何もしなくていいですか?
いいえ。20万円は所得税の確定申告の基準で、住民税には同じ扱いがありません。所得税の確定申告をしなかった場合、20万円以下でも市区町村への住民税の申告が必要になることがあります。手続きの方法は市区町村ごとに違うので、お住まいの市区町村の住民税担当課で確認してください。また、医療費控除などで確定申告をする場合は、20万円以下の所得も含めて申告します。なお所得税の確定申告をすれば、その内容が市区町村へ回るため住民税の申告は原則不要です。
アプリから振り込まれた金額をそのまま比べていい?何が経費になりますか?
いいえ。ラインと比べるのは売上ではなく「所得」で、1年間の報酬から必要経費を引いた残りです。経費になり得るのはマイク・照明・スマホスタンドなどの機材や、配信専用の小道具・消耗品。通信費や家賃は、業務で使ったことを合理的に説明できる部分だけです。私用と共用している支出を全額経費にできるとは限らないので、領収書・利用記録と按分の根拠を残してください。費目別の考え方はライバーの経費ガイドにまとめています。
事務所に入っていれば申告はやってもらえますか?
事務所所属でも、申告が必要かを確認する責任は原則としてあなた本人にあります。事務所には源泉徴収の有無・年間の支払額・支払調書の発行有無を確認しましょう。
扶養に入っていますが影響はありますか?
「扶養」には2種類あります。税法上の扶養(扶養控除・配偶者控除など)は、あなたを扶養している家族の所得税・住民税に影響し、扶養親族の要件には合計所得金額の基準があります(令和7年12月1日施行の改正後は合計所得金額58万円以下)。もう一つは社会保険の被扶養者認定で、こちらはあなた自身の健康保険・年金に関わり、基準は加入している健康保険組合などが定めています。基準も影響先も違うため、税は税務署・市区町村へ、社会保険は家族の健康保険の窓口へ、それぞれ確認してください。
そもそも自分の報酬がどう決まっているのかは、ライバーの収入のしくみで図にしています。月にいくらになるのかを公式の表で試算したい人は、収入シミュレーターを使ってみてください。
📒 この記事のまとめ
- 配信の報酬は給与とは扱いが違う。一般には「業務に係る雑所得」になる
- ラインと比べるのは売上じゃなく「所得」=報酬から必要経費を引いた残り
- 20万円は所得税の基準。住民税の申告は別で、20万円以下でも必要になることがある
- 「扶養」は税法上の扶養と社会保険の被扶養者で基準が違う。片方だけ見て判断しない
この記事でできないこと、相談先
この記事は公開されている制度の一般的な整理です。所得区分(雑所得か事業所得か)、経費の按分割合、扶養の可否といった個別の判断はできません。実際の金額と契約内容がないと決まらないためです。
- 所得税・確定申告の相談:住所地を管轄する税務署(国税庁サイトで検索できます)/税理士
- 住民税の申告:お住まいの市区町村の住民税担当課
- 社会保険の被扶養者:家族の勤務先、または加入している健康保険組合・協会けんぽなどの窓口
金額の基準は毎年の改正で変わります。この記事の金額は上記の出典で確認した時点のものです。申告する年の国税庁の資料を必ず確認してください。
この記事は、運営会社・公的機関などの一次情報を優先し、確認日を記録して制作しています。広告や勧誘の言葉ではなく、自分で判断するための材料を届けます。
編集方針を見る ↗参照した公式情報
この記事の事実確認に使った一次情報です。確認日時点でLIVENOTE編集部が実際に開いて確かめています。
- 公式情報国税庁 No.1199 基礎控除確認日 2026-08-30
- 公式情報国税庁 No.1500 雑所得確認日 2026-08-30
- 公式情報国税庁 No.2210 やさしい必要経費の知識確認日 2026-08-30
- 公式情報国税庁 令和8年分 確定申告特集確認日 2026-08-30
- 公式情報国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人確認日 2026-09-07
- 公式情報国税庁 No.1180 扶養控除確認日 2026-09-07
- 公式情報横浜市 給与以外の収入がある場合の市民税・県民税の申告確認日 2026-09-07
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