LIVENOTE NEWS · SPECIAL REPORT 2026 · 第2版
ライバー事務所の
「書いていない」を、
数字にした。
事務所50社 × 13項目、配信アプリ5社 × 12項目。口コミではなく、公式サイトに公開された情報だけを調べました。
- 50
- AGENCIES
- 13
- CHECK POINTS
- 5
- LIVE APPS
契約書を事前に見せると
公式サイトに書いた事務所
最低契約期間・移籍制限を
公式サイトに書いた事務所
EXECUTIVE SUMMARY
まず、3つの数字から。
所属を決める前に知りたい条件ほど、調査した50社の公式サイトには書かれていませんでした。調査:LIVENOTE編集部/調査期間:2026年8月27日〜9月5日(対象50社)/初版公開:2026-08-30/第2版改訂:2026-09-05所属前に知りたい、3つの空白。
書いている事務所
書いている事務所
書いている事務所
n=50/各社公式サイトの記載を確認(調査期間 2026年8月27日〜9月5日)/第2版
13項目の開示率
「あり」=公式サイトに具体的な記載を確認できた社数。曖昧な表現は含みません。
確認できたこと(観察結果)
ここに書くのは、50社の公式サイトで実際に確認できた記載の集計だけです。理由の推測はこのあとの「編集部の見方」に分けています。
1. 「お金」と「契約」だけが、そろって空白
法人名(82%)や所在地(84%)は多くの事務所が書いています。 一方で支払サイクル(4%・2社)・契約書の事前開示(0%・0社)・最低契約期間や移籍制限(2%・1社)は、調査した50社のほとんどで確認できませんでした。 会社そのものは名乗っているのに、条件だけが書かれていない——これが今回いちばんはっきりした構図です。
2. 還元率の数字はあっても、分母と支払日はそろわない
還元率の数字を書いた事務所は15社(曖昧な表記が3社)。その多くが「100%」を掲げます。 ただし「最大100%」「100%+ボーナス」など留保つきの表記が目立ち、100%に届かない条件は公式サイトからは確認できませんでした。 そして還元率と支払日の両方を書いた事務所は0社。もらえる率は語られても、いつもらえるかは同じページでは語られていません。
3. 13項目をすべて満たした事務所は、まだない
13項目の開示量を100点満点に換算すると、50社の平均は34点。 最も多く公開していたのはASTERISKの68点で、70点を超えた事務所は0社、50点を超えたのは6社でした。 これは「公開している項目の数」の分布であって、事務所の良し悪しや所属後の満足度を測ったものではありません。 また今回の50社は無作為抽出ではないため、この分布をそのまま業界全体の平均として読むことはできません。
上流の配信アプリも、同じ物差しで。
事務所だけを見ても全体は分からないため、主要配信アプリ5社も同じ方法で確認しました。
公開しているアプリ
説明しているアプリ
公開しているアプリ
4. 書けることは、すでに証明されています
配信アプリ側でも、分母(何に対する何%か)を説明しているのは1社、 事務所に支払う報酬について公式に触れているのは2社でした。 そのなかでPocochaは12項目中11項目を公開しています。 全ランクの時給表を金額で、換金レートを1ダイヤ=1円で、振込手数料の負担者まで。さらに事務所に支払う特別報酬の金額まで公式に開示していました。 事務所側でも、違約金の有無を明記した事務所は7社、締め日・支払日を具体的に書いた事務所は2社あります。同じ業界のなかに、書いている例と書いていない例が両方ある——これは推測ではなく、確認できた事実です。
EDITORIAL INTERPRETATION
ここからは、編集部の見方です
以下は調査結果そのものではなく、数字をどう読んだかという編集部の解釈です。 事務所への取材で裏づけを取ったものではないため、断定ではなく仮説として読んでください。 事務所の意図や社内事情を、公開情報の量から知ることはできません。
仮説A:書きにくい事情がある項目
契約書の内容は、所属するプラットフォームやランク、個別の条件によって変わり得ます。1種類だけ掲載すると条件の違う人との間で食い違いが起きる——という事情は実務として想像できます。 支払日も、事務所への入金がプラットフォーム側の締めに左右されるなら「毎月◯日」と言い切りにくい可能性があります。ただし、これは私たちの想像です。各社に確認したわけではありません。
仮説B:書くと不利になる項目
最低契約期間や移籍制限を書けば、応募をためらわれるかもしれません。書かなければ面談まで話題にならない。 調査した50社のうち具体的な記載を確認できたのが1社、曖昧な記載が9社という偏りは、この見方と矛盾しません。ただし「意図的に隠している」と示す根拠は、今回の調査にはありません。単に募集ページの慣習かもしれません。
仮説C:上流が書かないから下流も書けない、という構図
配信アプリが分母や事務所への報酬を公開していないことと、事務所が自分の取り分の根拠を説明していないことは、同じ調査のなかで同時に観測されました。 前者が後者の原因だと考えると説明はつきますが、今回のデータで因果関係を確かめたわけではありません。下の図は、確認した2つの事実と、それをつなぐ未検証の仮説を並べたものです。
法律について、断定できないこと
「配信には条件を示すルールがない」という説明を、以前この記事に書いていました。これは正確ではないため訂正します。
公式サイトに条件を掲載する義務と、契約する相手に取引条件を明示する義務は別のものです。 後者については、フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が、業務委託をする発注事業者に対し、 報酬額・支払期日・給付内容などを書面または電磁的方法で明示することを定めています(公正取引委員会の解説/確認日 2026-09-07)。
ただし、適用されるかどうかは契約の実態(業務委託か、従業員を使用しない事業者か等)によって決まります。 したがって公式サイトに書いていないという一点だけで、法令違反とも、義務がないとも判断できません。この調査が測っているのは、あくまで「契約前に、誰でも見られる場所で確認できるかどうか」です。
「書いていない」の読み方
🔴 調査で確認できなかったこと
- 契約書の事前開示(記載を確認できたのは0社)
- 契約期間・移籍の条件(1社)
- 締め日と支払日(2社)
🟢 面談で聞けば分かること
- 「契約書はいつ見せてもらえますか。持ち帰れますか」
- 「最低契約期間と、辞めるときの条件は」
- 「締め日と支払日はいつですか」
記載がないことは、条件が悪いという意味ではありません。公開情報だけでは判断できない、という記録です。 だからこの調査は、各社ページに面談でそのまま読める質問文を用意しています。
調査の方法
評価ではなく、公開ページで確認できる記載の量を測りました。
- 01SCOPEライバー事務所50社
大手・中堅に加え、SNSでスカウトDMの送信が確認されている事務所を優先。無作為抽出ではありません。
- 02PERIOD2026年8月27日〜9月5日
各社公式サイトのトップ・会社概要・募集ページ・FAQを確認。確認日は事務所ごとに記録しています(2026-08-27 20社 / 2026-08-30 14社 / 2026-09-05 16社)。
- 03EVIDENCE公式情報だけを採用
口コミ・評判・第三者データベースの情報は集計に使用していません。項目ごとの根拠URLは特定しておらず、確認したページ全体を各社ノートに掲載しています。
- 04LIMIT調査時点のスナップショット
公開後の更新や、画像内だけに記載された条件を捉えられない場合があります。判定に誤りがあればご指摘ください。
この調査の、版と更新履歴。
ライブデータの更新で過去の調査結果が黙って変わらないよう、公開した版ごとに対象と集計を固定しています。
| 版 | 対象 | 調査期間 | 公開・改訂 | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| 第1版 | 34社 | 2026-08-27 〜 2026-08-30 | 2026-08-30 | 旧版 |
| 第2版 | 50社 | 2026-08-27 〜 2026-09-05 | 2026-09-05 | 公開中 |
- 第1版を公開(事務所34社・13項目)。
- 16社を追加調査し第2版へ改訂(50社)。あわせて4社の判定を再監査で訂正。
- 版を凍結し、本文・表・CSV・構造化データ・プレス原稿の母数と調査期間を第2版へ統一。本文に残っていた第1版由来の記述(該当項目を0%・0社とする説明)を訂正。
- 第1版と第2版は調査対象が違います(34社 → 50社)。増減の多くは母数の拡大によるものです。
- 第2版では、第1版に含めた4社(MAGO / LIVESTAR / ONECARAT / ハイブリッドバンク)の判定を再監査で訂正しました。各社の公開情報が変わったという意味ではありません。
- このため、版どうしの数字の差を「業界の改善・悪化」として読むことはできません。
この調査の使い方
書いていない=悪い事務所、ではありません。書いていないなら聞けばいいだけです。 各社の記録と、面談でそのまま読める質問文を事務所ノートに置いてあります。
この数字を、
業界を良くする材料に。
本調査の数字は、出典名・版・本ページURLを明記いただければ、記事・資料・報道で引用できます。上の「引用文をコピー」を使うと表記をそのまま取得できます。
掲載事務所の方へ:公式サイトに条件を追記された場合や、記録に誤りがある場合は、確認のうえ反映し、更新履歴に残します。
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